こんにちは。熊本県熊本市にある関歯科医院です。
虫歯になると「どれくらいの速度で進行するのだろう?」と心配になる方も多いでしょう。虫歯の進行速度には個人差があり、習慣によっても変動します。
この記事では、虫歯の進行速度について詳しく解説しています。進行を早める習慣や進行を遅らせる方法、虫歯の予防法についても説明しているので、虫歯の進行速度が気になる方は、ぜひご参考にしてください。
目次
虫歯とは
虫歯とは、虫歯菌が作りだす酸によって歯のカルシウムが溶かされて、進行すると歯に穴が開く病気のことです。虫歯菌は食べ物や飲み物の糖分を餌にして増殖し、グルカンというネバネバの物質を生成します。グルカンに包まれた細菌の集合体をプラーク(歯垢)といいます。
細菌はプラーク中で酸を作り出し、プラークが付着している歯の表面のエナメル質が酸によって溶かされる脱灰(だっかい)を起こします。
唾液の作用によって溶かされたエナメル質を修復する作用を再石灰化(さいせっかいか)といい、通常は脱灰と再石灰化が繰り返されることで、歯は健康な状態を保っています。歯に穴があく前の初期虫歯の状態であれば、再石灰化によって修復できることもあるでしょう。
しかし、間食などが多く糖の摂取回数が増えると、再石灰化が追いつかずに脱灰が進行し、虫歯になるのです。
虫歯の進行速度
虫歯の進行速度には個人差があり、誰もが同じ速度で進行するわけではありません。
虫歯はCO〜C4の5段階に分けられ、段階によっても進行速度は異なります。CO〜C1は初期段階の虫歯で、虫歯の進行がエナメル質でとどまっています。COの段階の虫歯の場合は、再石灰化を促すことで歯を削らず改善できる場合もあるでしょう。
C2はエナメル質の内側にある象牙質にまで進行した虫歯で、痛みを感じやすくなります。C1からC2の状態になるまでは、一般的に数ヶ月〜1年程度かかるとされています。
しかし、C2以降は進行速度がはやまります。虫歯を放置するとどんどん重症化し、最悪の場合は抜歯が必要になることもあるのです。
また、年齢によっても進行速度が異なります。25歳頃まではエナメル質がまだ完成しておらず柔らかい状態のため、虫歯の進行が早いとされています。25歳頃を超えるとエナメル質が硬くなるため、進行スピードは遅くなるでしょう。
乳歯と永久歯でも進行速度は異なります。乳歯はエナメル質が薄く、永久歯のエナメル質の半分程度の厚みしかありません。そのため、虫歯の進行も早いという特徴があります。乳歯の虫歯は、特に気をつけたほうがいいでしょう。
虫歯の進行速度を遅らせる方法
虫歯の進行速度を遅らせる主な方法には、以下の4つが挙げられます。
- 丁寧なブラッシング
- 食生活の改善
- 糖を摂取する機会を減らす
- キシリトールガムを噛む
それぞれの方法について、詳しく解説します。
丁寧なブラッシング
虫歯を引き起こす最も大きな原因が、プラークの蓄積です。丁寧なブラッシングによってプラークを除去し、磨き残しが生じないようにすることが大切でしょう。
特に、奥歯や歯と歯の間は歯ブラシが届きにくく、虫歯になりやすい部分とされています。そのため、より丁寧に磨きましょう。歯と歯の間は歯ブラシだけでは十分に汚れを除去できないため、フロスや歯間ブラシも使用しましょう。
食生活の改善
飲食するたびに口の中は酸性に傾き、虫歯が進行しやすい状態になります。通常は唾液の作用によって中和されますが、間食が多いと唾液の作用が追いつかずに虫歯が進行しやすくなるのです。
虫歯の進行を遅らせるためにも、過度な間食は控えましょう。
糖を摂取する機会を減らす
糖分をたくさん摂取していると、虫歯菌が増殖します。そのため、糖の過剰摂取に気をつけなければなりません。
どうしても甘いものを摂取したい時は、キシリトールなど虫歯菌の餌にならない甘味料を使用しているもので代用するといいでしょう。
キシリトールガムを噛む
キシリトールには、プラーク中のミュータンス菌を減らして、歯の再石灰化を促す効果が期待できます。また、キシリトールガムを噛めば唾液の分泌が促されるため、食べカスを洗い流してくれる自浄作用の向上も期待できます。
ただし、1回キシリトールガムを食べるだけですぐに効果を得られるわけではないため、継続することが大事です。
虫歯の進行速度を早めてしまう習慣
虫歯の進行速度を早める主な習慣は、以下の3つです。
- 糖の過剰摂取
- 間食や長時間の飲食
- ブラッシングが不十分
それぞれの習慣について、詳しく解説します。
糖の過剰摂取
虫歯菌の餌となる糖の摂取回数が多ければ、虫歯菌が増殖して活動も活発になります。そのため、虫歯の進行速度をはやめる原因になります。
甘いものなど、糖が多く含まれる食べ物の過剰摂取には注意する必要があるでしょう。
間食や長時間の飲食
飲食するたびに、口の中は酸性に傾きます。そのため、間食が多かったりダラダラと長時間飲食したりしていると、酸性に傾く時間が長くなるのです。
唾液による再石灰化が間に合わなくなるので、虫歯が進行しやすいといえるでしょう。
ブラッシングが不十分
ブラッシングが十分にできていないと、磨き残しが生じてプラークが蓄積します。虫歯菌が住みつきやすい環境になるため、虫歯菌が増殖して活発化して虫歯の進行が早まるでしょう。
虫歯菌を増殖させないためにも、日々のブラッシングを丁寧に行い、口腔内を清潔に保つことが大切です。
虫歯を防ぐ歯磨きの方法
虫歯予防に効果的な歯磨きの仕方は、以下の5つです。
- 磨く順番を決める
- 小刻みに動かして磨く
- 補助清掃用具を使用する
- 歯ブラシを45度の角度で歯にあてる
- フッ化物配合の歯磨き粉を使用する
それぞれの方法を、詳しく説明します。
磨く順番を決める
磨く順番が決まっていないと、同じ場所ばかりを磨いたり磨けていない場所が発生したりします。磨く順番を決めて全ての歯をしっかり磨く習慣をつけましょう。
小刻みに動かして磨く
歯ブラシを大きく動かすと、細かな汚れを十分に除去できません。歯ブラシを小刻みに動かし、一か所10回程度を目安に1〜2歯ずつ磨くようにしましょう。
力強く磨くと、歯茎を傷つけたり歯茎が下がったりする原因になります。優しく小刻みに歯ブラシを動かしてください。
補助清掃用具を使用する
歯と歯の間の汚れは、歯ブラシだけでは十分に除去できません。フロスや歯間ブラシなどの補助清掃用具も使用して、磨き残しが生じないようにしましょう。
ご自身に合った歯間ブラシのサイズや、フロスの使い方が分からない場合は、歯科医師や歯科衛生士に相談してください。
歯ブラシを45度の角度で歯にあてる
歯ブラシは、歯に対して45度の角度であてると良いでしょう。歯と歯茎の境目に歯ブラシの毛先が入り込み、効率よく汚れを除去できます。
特に、下の奥歯の内側は汚れが残りやすい場所です。歯ブラシを45度の角度で当てることを意識して、しっかり汚れを除去しましょう。
フッ化物配合の歯磨き粉を使用する
フッ素には、歯質の強化・細菌の活動の抑制・再石灰化の促進などの効果が期待できます。そのため、歯磨きをするときにフッ化物配合の歯磨き粉を使用すると、より虫歯の予防効果が高まるでしょう。
まとめ
虫歯の進行速度は初期段階では緩やかですが、進行するにつれて早まります。そのため、C2以降の虫歯はより注意が必要です。
また、乳歯の場合はエナメル質が薄いため、虫歯の進行速度が早いという特徴があります。丁寧なブラッシングと食生活の見直しを行い、虫歯を予防できるよう心がけましょう。
痛みなどの症状が出ている場合は、すでに虫歯がある程度進行している状態です。虫歯は進行すればするほど大掛かりな治療が必要になります。症状がなくても定期検診を受け、虫歯のチェックとクリーニングを受けることが大切です。
虫歯治療を検討されている方は、熊本県熊本市にある関歯科医院にお気軽にご相談ください。
当院では、インプラント治療を中心に虫歯・歯周病治療、矯正治療など、さまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、WEB予約もお受けしております。