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矯正治療後に後戻りする原因とは?防ぐために知っておきたいポイントも


矯正治療後に後戻りする原因について考える女性

こんにちは。熊本県熊本市にある関歯科医院です。

せっかく矯正治療を受けても、後戻りすると「意味がなかった」「費用をかけたのに」と大変つらいものです。矯正治療後の過ごし方によっては、短期間で後戻りを起こすことも少なくありません。

では、どうして後戻りを起こすのでしょうか。また、後戻りを防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか。

この記事では、後戻りを起こす5つの原因や予防法、後戻りを起こした際の3つの対処法について解説します。

後戻りとは

後戻りについて説明する歯科衛生士の女性

後戻りとは、矯正治療で整えた歯並びが元の位置に戻ろうと動くことです。

そもそも、歯は顎の骨と直接くっついているわけではなく、歯と顎の骨の間にある歯根膜という組織でつながっています。矯正治療では、装置で歯全体に力をかけて歯根膜を収縮させ、顎の骨の吸収・再生を促すことで歯を移動させています。

歯が移動したばかりのころは、歯や歯根膜、顎の骨は敏感な状態で、定着しているわけではありません。時間をかけて歯並びを固定する必要があり、1〜3年という長い時間を要します。そのため、矯正治療後の過ごし方が不適切であれば、簡単に後戻りを起こすことがあるのです。

特に、重度の不正咬合や抜歯が必要な症例では、後戻りを起こすリスクが高くなります。なぜなら、歯の移動距離が長くなることで、歯並びを安定させるのに長期間かかるからです。

後戻りが起こると、矯正治療にかかった期間や費用が無駄になるかもしれません。症例によっては、再治療が必要になることもあります。そのため、後戻りの原因を知り、対策する必要があるのです。

矯正治療後に後戻りする原因

リテーナーの装着時間が短いイメージ

後戻りは矯正治療後の過ごし方によって防げるものです。後戻りを起こす原因を知り、整った歯並びを維持しましょう。

リテーナーの装着時間が短かった

矯正治療後は歯並びを固定するために、リテーナーという装置を装着することが欠かせません。

しかし、リテーナーの装着時間が短かったり、予定よりも早期で装着をやめたりすると、後戻りすることがあります。

特に、矯正治療が終わってすぐは、1日のほとんどの時間、リテーナーを装着することが目標とされています。見た目には歯並びが整っているように見えても、歯科医師の指示された期間はリテーナーを装着してください。

また、リテーナーが変形・破損している場合も、後戻りを起こすことがあるので注意が必要です。

癖や生活習慣の影響

気付かない間に行っている癖や生活習慣によって後戻りを起こすこともあります。具体的には、以下のようなものです。

  • 舌で歯を押す
  • 唇を噛む
  • 口呼吸
  • 頬杖をつく
  • うつ伏せ寝・横向き寝
  • 歯ぎしり・食いしばり
  • 噛み癖

これらの癖や習慣が矯正治療後も続いていると、後戻りを起こすリスクが高いです。特に、舌で歯を押す、唇を噛むといった癖は、歯に直接強い力がかかることで歯並びに悪影響を及ぼしやすいでしょう。

また、歯並びは頬や唇などの外側からの力によって安定しています。そのため、口呼吸やポカン口などは直接歯に大きな力を与えることはないものの、お口周りの筋肉が衰えると、後戻りを起こすことがあるので注意が必要です。

ほかにも、悪い生活習慣も後戻りの原因のひとつです。頬杖やうつぶせ寝・横向き寝、歯ぎしり・食いしばりなどにより、歯に力が加わると、後戻りを起こすことがあります。

また、片方の歯でばかり噛む癖があると、歯並び・噛み合わせが悪化するだけでなく、顎の変形を招くこともあるため、注意しなければいけません。

歯周病や加齢による影響

歯は、顎の骨によって支えられています。

しかし、歯周病の悪化や加齢の影響により顎の骨が減少すると、歯並びが不安定になり後戻りを起こすことがあります。つまり、口内環境が良好でなければ、きれいな歯並びは維持できないということです。

そのため、矯正治療が終わってからも、定期的に歯科医院で検診を受けることが欠かせません。

親知らず

上下の親知らずが噛み合うように生えていれば、問題ないことが多いといわれています

しかし、親知らずが横向きや斜めに生えていると、手前の歯を押して後戻りを起こすことがあるのです。そのため、矯正治療を始める前に親知らずを抜くこともありますが、小児矯正を受けた方の場合、あとから親知らずが生えてきて後戻りを起こすことがあるのです。

また、部分矯正を受けた方の場合も、治療範囲は前歯のみであるため、あとから親知らずの影響を受けることがあるでしょう。

成長による変化

子どものうちに歯並びを整えることで、虫歯や歯周病になるリスクを軽減できたり、抜歯を回避できたりします。

しかし、矯正治療が終わったあとも、顎は成長し続けます。これにより、歯並びや噛み合わせが影響を受け、後戻りを起こすこともあるのです。

矯正治療後の後戻りを予防するためには

時間を守り正しくリテーナーを装着する女性

後戻りを予防するための具体的な方法は、以下の4つです。

リテーナーを正しく装着する

矯正治療後の歯並びは不安定なため、歯科医師の指示通りにリテーナーを装着することが大切です。特に、治療直後から1年程度は、1日20〜22時間を目安にリテーナーを装着しましょう。

食事や歯磨きのとき以外はリテーナーを装着することにより、後戻りのリスクを軽減させることが可能です。

また、万が一後戻りが起きた場合でも、リテーナーを毎日使用していれば、リテーナーが入りにくくなったなどの異変にもすぐ気づけます。そのため、歯科医師の指示通りにリテーナーを装着しましょう。

悪い癖や生活習慣を改善する

歯並びに影響する癖や生活習慣があれば、矯正治療を受けても後戻りする可能性が高いです。そのため、先述した歯並びに影響を及ぼす癖や生活習慣がある方は、改善しましょう。舌で歯を押す癖や口呼吸、ポカン口などは、意識的に改善することが難しいといわれています。

しかし、MFTと呼ばれるお口周りの筋肉を鍛えるトレーニングにより改善が見込めます。歯科医院でトレーニングを受けられますので、お悩みの場合はご相談ください。

また、正しい姿勢を保つことや、運動などをしてストレスを発散することも大切です。特に、歯ぎしり・食いしばりの癖は睡眠不足やストレスから誘発されることが多いとされています。カフェインや飲酒を控え、入浴やストレッチなどで体の調子を整えましょう。

ほかにも、歯ぎしり・食いしばりの癖がある場合はナイトガードと呼ばれる専用のマウスピースの使用が推奨されます。お悩みの方は一度歯科医師に相談するとよいでしょう。

口内を清潔な状態に保つ

口内環境の変化により、後戻りを起こすこともあります。特に、歯周病により歯が不安定になると、全体の歯並び・噛み合わせが悪化するリスクが高いです。

そのため、毎日しっかりと歯磨きをして、口内を清潔な状態に保ちましょう。歯に付着した汚れを取り除くことで、虫歯・歯周病を予防し、健康な歯を長く残すことができます。これにより、キレイな歯並びを長期的に維持することもできるでしょう。

定期的にメンテナンスを受ける

矯正期間・保定期間が終わったあとも、定期的にメンテナンスを受けることが重要です。後戻りは徐々に起こるため、自覚症状が現れたときには悪化していることも少なくありません。また、後戻りの原因が歯周病の場合、放置していると歯を失うことにもつながるでしょう。

そのため、3ヵ月に1回を目安に歯科医院を受診し、お口全体を定期的にチェックしてもらうことが大切です。

メンテナンスでは、後戻りが起こっていないかだけでなく、噛み合わせの状態や虫歯・歯周病の有無もチェックします。また、必要に応じて、歯のクリーニングも行われます。

万が一、後戻りなどのトラブルが起こっていても、定期的に歯科医院を受診していれば、早期に発見・対処できるでしょう。

矯正治療後に後戻りしたときの対処法

後戻りしたため歯科医院を受診する様子

矯正治療後の過ごし方に気を付けていても、治療後に後戻りを起こすことがあります。ここでは、後戻りを起こした場合の対処法について解説します。

まずは歯科医院を受診する

「リテーナーが入りづらい」「食べ物が挟まりやすくなった」などの異変があれば、すぐに歯科医院を受診しましょう。後戻りは自然に治ることはないため、放置すると悪化するばかりです。すぐに歯科医院を受診することで、早期に後戻りを食い止めることができます。

また、リテーナーの破損により装着できない場合にも、早期の受診が必要です。破損したリテーナーの使用は即座に中断し、修理や新製の対応をとってください。

リテーナーの装着時間を延ばす

「リテーナーが装着しにくい」「装着すると圧迫感がある」などの場合、軽度の後戻りが起きている可能性があります。このような場合、リテーナーの装着時間を延ばすことで、改善されることがあります。

再矯正を検討する

「リテーナーが入らない」などの場合、再治療が必要になることがあります。部分的な後戻りの場合、後戻りが起こっている箇所にだけ再治療を施すことが可能です。再治療が必要になるものの、部分的な矯正であれば、費用も期間も抑えられるでしょう。

しかし、重度の後戻りで全体の歯並び・噛み合わせが悪化している場合には、全体矯正が必要になります。

まとめ

後戻りを防いで矯正治療を続ける女性

後戻りを起こす原因は、リテーナーの装着不足、癖や生活習慣による影響、口内環境の変化などです。

特に、矯正治療後の歯は不安定なため、食事や歯磨き以外の時間はリテーナーを装着することが欠かせません。また、歯並びに影響を及ぼす癖や生活習慣を改善すること、歯磨きによるセルフケアで口内環境を整えることも大切です。

後戻りが起こっても、軽度の場合にはリテーナーの装着時間を延ばすことで改善できることがあります。

しかし、後戻りが重症化すると、再治療が必要になり、期間も費用も余分にかさんでしまうかもしれません。そのため「リテーナーが入りにくい」などの異変があれば、すぐに歯科医院を受診してください。

歯列矯正を検討されている方は、熊本県熊本市にある関歯科医院にお気軽にご相談ください。

当院では、インプラント治療を中心に虫歯・歯周病治療、矯正治療など、さまざまな診療を行っています。ホームページはこちらWEB予約もお受けしております。

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